前回3/27のブログにも書いたが、突然ハイファイセットを解雇された僕と重田(マトン)は、偶然、松任谷由実チームに拾われた。捨てる神有れば、拾う神だなぁなんて言ってたのだけれど・・・こっちの神はとんでもない神だった。ここで、ギターの市川君、ベースの石井君と合流し新しいバンドで始める訳だが、なんかどうも雲行きがおかしい?リハーサルのスケジュールが書かれた紙切れを渡されると、そこには音楽リハ1週間、踊り、寸劇リハ3週間と書かれてある??まぁ僕らバンドは1週間だけやればいいのかなと、初めはたかをくくっていたが、どうもダンサーみたいな人達は、何時までたっても現れない??それどころかプロデューサーの伊集院 静氏は、ギョロ目のヤクザみたいなルックスで、人の事を指差しながら妙に温和な口調で話す、でも目は宙を泳いでいる。妙に温和なところがかえって恐い!なんじゃこのオッサンは!!そしてとんでもないことをカンタンに言い出すのだ。ギターとベースの人はワイヤーで吊って飛んでもらうから!!オイオイオイ!!である。松任谷由実といえば荒井由実時代からティンパンアレーとかがバックを務めた、お品のいい都会派ミュージックじゃなかったの??その当時のバックミュージシャンといえば、ジーンズとTシャツで前に譜面台を置いて、座って演奏すれば良かった時代である。それが・・・それがである!!俺たちは宇宙服みたいな衣装を着せられ、踊り、寸劇までやらされる。ぜんぜん話が違うじゃん!!どうしよう!!ヤバイ!!小さい頃悪い事をすると親に“そんなことしてるとそのうちサーカスにでも売り飛ばされるよ”なんて冗談言われていたが、本当に現実になっちゃたかと思った。これは、ミュージシャン残酷物語、地獄絵図である。程なくしてリハーサルがはじまり、ショーの全貌が明らかになった。ななななな〜何じゃこりゃ〜〜〜!!!とにかくスゴイ!こんなの見た事無い!!これはコンサートでなく、ショーである。この頃からコンサートは聴きに行くものじゃなく、見に行くものになったのかもしれないね。
オープニングがこの様な映像がステージいっぱいに映し出される。アニメのオープニングの様だね!この中幕の中で映像に合わせ、僕らバンドは演奏するのだが、クリックもコンピューターも無い時代。すべて手作業でこの映像とシンクしていた。神業だぁ〜!!
こんな大型クレーン仕掛けの巨大な龍がステージ全体を縦横無尽に動き回る。それにしても大迫力だ!!今考えると相当危険な事やっていたのかも??
時には龍の頭に乗る事もある。いやぁ〜小林幸子の衣装どこじゃない大きさだし、ジャニーズでもやらないようなハデなステージを30年前にやってたんですね!!
これが問題の寸劇。はずかしかったなぁ〜〜!よく楽屋でギターの市川と俺らははたしてミュージシャンなんだろうか???って真剣に話し合ったなぁ〜!今では懐かしい想い出だけど。
この龍けっこう、おちゃめでね。これは“まぶしい草野球”という曲の1シーンなんだけど、ボールくわえて、野球帽かぶって出てくる。もちろんキャップにはユーミンの“Y”のマーク!当時は横浜なかったから大丈夫なんですよ!!
ユーミンも20代だから若いね!!僕にとってはこの頃がユーミンって感じかな。でもでも、とんでもない事、画期的な事、当時じゃ考えられない事やってきたけど、それがあったからこそ30年後の今、ロシアの本物のサーカスやオリンピックの金メダリストと競演出来るまでになったユーミン、シャングリラ!!すばらしいね!
最近のコメント